皇紀　2677年　2月20日

相場を当てる事に血道を上げている知り合いが昔いた。　そこそこ経験があるし

それなりに相場観も鋭いんだが、当てようとしてあたるなら苦労がないわけで

どんなにソコを突き詰めても、絶対はない。　ソイツは結局、連絡が取れなくなった

多分、タネを飛ばしていなくなったんだと思う。　

これって、物凄い矛盾が起きる事なんだが、相場の展開を読むという事は大事だ。

持っている知識と経験から、どういう展開になるのか？　これを読む事は読むが

同時に、素人が見たらビックリするくらいにアッサリとポジションを投げる。

それなりにエネルギーを注ぎ分析したモノと言うのは、どうしても執着が生まれやす

い。　それをイメージと違ったらアッサリ切る。　これはどうしても心で葛藤と言う

か感情的に矛盾が起きる。　恋愛話で例えると

口説く時に熱烈に口説いて、君がいないと生きていけない!!　

と言っていたクセに、少しでも気に入らないとバイバイする。　

あまりにも、アッサリし過ぎて相手が絶句するくらい。　

こんな感じなワケだ。　相場を当てようとすると、どうしても自分の分析を信じたく

なるし、固執しちまうのは人情ってもんだ。　結局、酷い事になる・・・・

ソイツは相場観がなまじ鋭いもんだから、自分に自信を持っちまう。　

そして、切るのが遅くなる・・・　酷い時には切れない・・・　そして飛ばす・・

俺より相場観の鋭いヤツは沢山いた。　7.8割　相場の展開を当てられるんだが

2.3割は外すワケで、その　2.3割が起きてしまったときの対処が間違っていると

生き残れない。　絶対にわからないモノを、わかると錯覚して酷い事になる。

当たった場合は自分の実力・・・　鋭い相場観と有頂天になり、違った場合に

自己嫌悪になる、もろ刃の剣だ。　嬉しいという事は逆になれば悔しいと言う事に

なるワケで、相場を当てよう当てようとすると、どうしてもそこにエネルギーを

注いでしまう。　ある程度の時間やお金やエネルギーを注いだモノをアッサリと

切り捨てる事は心理的に非常に難しい。　この心理状態を埋没費用効果と言うらしい。

キャバクラで熱くなって通っているスケベなオッサンがこれだ、ここまで金を使って

通ったのに、落せないなんて悔しい・・・　って思うワケだ。

女に熱くなるのはみんな、この手の類だ。　ではどうすればいいのか？　

最初から、エネルギーを注がなければ良い。　検証してワークするモノを見つけたら

エネルギーは　注文執行を正確にする事だけに注げばよい。　

儲ける事、当てる事　に集中してしまったら、どうしても固執しちまう原因となる。

俺は、幸いにも当てようとか思わなかったし、相場観もそんなに鋭くない。

だから、期待しないで済む、期待しないからエネルギーが注がれない。　

その結果、アッサリとポジションを投げる事が出来る。　そして、結果として

トータルで計算してみたら・・・　あー　勝ってんだコレ・・・・　

こういう感覚が身に付くと、当てようと思わなくなるし、どうでも良くなる。

ようするに、ドコにエネルギーを注ぐのか？　で結果が違ってくると言いたいのだ